PHS


定義

家庭用コードレス電話の子供を屋外でも使えるようにしようという発想から 生まれた日本独自のデジタル版のコードレス電話。

解説

簡易型携帯電話のことをPHP(PersonalHndyPhone) といっていたが、PHP総合研究所と紛らわしいことから'94年4月22日、 簡易型携帯電話システム実用化実験協議会は、新名称PHSにすると発表した。
セルラーや携帯電話のように公衆移動電話サービスとして拡張するには、 使う電波の出力が古いためアンテナ受信範囲が数百mに限られ、親機の役割をする 無線基地局をビルの屋上などに大量に設置し、利用者の移動に伴って基地局を 切り替える機能を持たせることが必要である。また、PHSのアンテナ1本で 3チャンネルしか受信できないといった欠点もある。
ただし、新規加入料・月額基本料・通話料ともに携帯電話より安価のため、 参入する事業者は、NTT系のNTTパーソナル通信網グループ、DDI系の DDIポケット電話グループ、電力・JR系のアステルグループの系統が 乱立している。
このサービスは、官庁街や空港など特定エリアのサービスから 順次エリアを拡大する方法がとられる。米国では、日本のPHSと同じタイプの 次世代コードレス電話による世界初の公衆型サービスのテストが、’93年1月から ワシントン市周辺で始まっている。
日本では移動体通信(GSM)が今後きわめて 有望な事業といわれ、サービス内容の多様化やより高度なサービスの開発を念頭に 置いたフィールド実験が始められ、’95年7月1日からサービスが開始された。
ioxデジタル・コードレスシステムが今後の新しい展開も可能になった。
PHSは日本独自の規格で、今後海外にも採用されるかどうかが大きなテーマになっている。
香港では、’95年6月末にPHSを含む次世代コードレス電話(CAS)の事業申請を締め切った。
DDIが香港でPHS事業の合弁交渉を通信大手の香港テレコムをもち、海外でのPHS普及第一号 となった。
だたし、ワーフグループはPHS採用を見送ることが確実になった。
有力通信会社のハチソン・テレコムはPHS採用を表明している。
また、インドネシアでは インドネシア電気通信会社(PTテレコム)がNTTの機材提供をを受けて、PHSでの音声品質や 一般電話回線との接続具合などの実験を開始した。
香港・マレーシアでは、すでに実験も終わっている。
PHSのライパルには欧州方式といわれるDECT(Digital European Cordless Telecommunication) 方式携帯電話や米国Motorola社が推すPACS方式携帯電話があり、それぞれアジア市場の成長性に着目し、 売り込み合戦に火花を散らしている。


参考文献 : 「マルチメディア辞典」、デジタルクリエーターズ連絡協議会編


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