定義:
社会における新しい出来事の報道・解説・批判等をいち早く伝達する定期刊行物。 江戸時代には瓦版読み売りのようなものが報道の役目をしていたが、日本の新聞紙としては、 1868年(明治元)に出た「江湖新聞」「中外新聞」「遠近新聞」などが最初のものとされる。
解説:
1450年にドイツのマインツ市で、グーテンベルクが発明した活版印刷術は、 それまでの手書き写本に代わって「活字メディア」を新たに誕生させた。 グーテンベルクは鉛とアンチモンの合金を使った活字を印刷機に組み込み、 羊皮紙と紙の両方を使って、「42行聖書」(または「36行聖書」) と呼ばれる世界最初の活版印刷物を作った。 そしてグーテンベルクの活版印刷術発明からわずか数十年後の15世紀末、 はやくもドイツで、「フルックブラット」と呼ばれる不定期の印刷物が発行されるようになり、 戦争などのニュースを一般読者に伝えた。活字印刷による世界最初の週刊新聞は、 1609年にドイツで発行された「アヴィソ」と「レタチオン」だったといわれる。 19世紀に入ると、産業革命の進展とともに、新聞の発行部数は飛躍的に増大し、 大量の一般大衆を読者とする新聞、すなわち今日でいう「マスメディア」 (mass media)へと発展を遂げていった。
新聞の大量印刷を可能にした輪転機の発明、鉄道の開通により短時間で遠方まで新聞を輸送出来るようになる、 などといった技術的条件。産業資本主義の発展と労働者の生活水準の向上により、 大衆新聞の定期購読者となるだけの経済的余裕が出来たという経済的条件。 新聞に対する言論統制が次第に撤廃され、民主主義思想が普及した結果、 新聞の情報を求める一般大衆のニーズが著しく高まったという政治的条件。 普通教育の普及とともに、都市の中級階級の人々を中心に、読み書き能力が著しく向上したという社会的条件。 これらの条件が大衆新聞の発展の歴史的背景となっている。
参考文献:
株式会社三省堂 1993年 「広辞林<第六版>」
公開講座:マス・コミュニケーション論目次 http://www.soc.toyo.ac.jp/faculty/mikami/masscom/lec-menu.html