(2)第三の波はまったく新しい生活様式をもたらす。その基盤となるのは多種多様な、再生可能なエネルギー資源であり、大半の流れ作業による工場生産を時代遅れにしてしまう新しい生産方式である。
とりわけ重要なことは産業革命によって分離を余儀なくされた生産者と消費者をふたたび融合させ、「生産=消費者」とでもいうべき存在に支えられた、明日の経済をつくりだすことである。
●解説
(1)人類はこれまで大変革の波を二度経験しているそれぞれの波は、変革以前の文化、あるいは文明を大幅に時代おくれにしてしまい、前の時代に生きていた人間には想像すらつかなかった生活様式を一般化した。
第一の波による農業革命は数千年にわたってゆるやかに展開された。産業革命の出現による第二の波の変革はわずか三〇〇年しかかからなかった。今日では、歴史の進行はさらに加速されており、第三の波はせいぜい二、三〇年で歴史の流れを変え、その変革を完結するのではないだろうか。
(2)第三の波はわれわれの家庭関係を崩壊させ、経済の基盤を揺るがし、政治体制を麻痺させ、価値体系を粉砕してすべての人間に影響をおよぼす。第三の波によって作り出される新しい文明の多くの部分は、古い伝統的な、産業中心主義が生んだ文明とはそぐわないものだ。それは、高度の科学技術に支えられていると同時に、反産業主義という性格を持っているのである。
新しい文明は今日より簡素で、より効果的な政府、しかもこれまで地球上に存在したいかなる政府より、いっそう民主的な政府を必要とする。それは独自の世界観を持った文明であり、時間、空間、論理、因果関係についても、独特の考え方を伴っている。
と、ここまでは本の中身をまとめてみたに過ぎないので、こっからは個人的見解の意見を。
第三の波。ということは第一、第二の波があったことを意味するのだけど・・・農業技術が第一、産業革命が第二、確かに人類の生活様式を根本から変革し、なおかつそれを一般化してしまった。しかし、それは結果論であって、初めから誰かがそれを狙って行ったことではない、ということである。
いや、一応は人の生活を便利にしようとよりよいものにしよう、といった熱意のもとに生まれてはいる。だが、第三の波は果たしてそこまでの境地に達するのか?というのが正直な考え。この本をじっくり読む暇がなかったのでアルビン・トフラーの考えはまだまだ全部分かったわけではないので何とも言い難いが、とにかく第三の波は先見の明がありすぎたせいか不明瞭な部分が多すぎるのだ。
そこが「果たして根底から変革するのかな」という腑に落ちない考えを生み出した。それはともかくとしてこの第三の波もマルチメディアやらと関連し、情報の驚異的な伝達力と効率的な利用法に基づいて生まれるものとしたら・・・たしかに人の変革はあるかもしれないが、それは今までの生活をただより良くしただけのものかもしれないし、将来、それが結果として前二つの波のようになるのか、それをこれからは注意深く感じていきたい。