●解説:
マルチメディアの実体は例えば東京スモッグの中にかすんで、誰にもはっきり掴めないものである。マルチメディアは音も画像も強引に離散的な数値に変換してしまう。こうして一旦デジタルな数値の集まりをコンピュータで自由自在に計算し、料理できるという寸法。
マルチメディアとは一つの文化的事件である。
一口にマルチメディアとは言っても色々ある。
一つはパッケージ型。要するにマルチメディアのソフトウェアとハードウェアを一つのパッケージにまとめ、商品として売るもの。例として情報家電なるもの。PDAのようであってそれを大きく超えるもの。
二つめはネットワーク型。通信回線のネットワークを使ったマルチメディア・システム。例として社内をPCで結び情報交換や協調作業を行うといったシステム。協調作業をやりやすくするのに音声や画像を統合したマルチメディアシステムは効果的である。
三つ目はシアター型。電子図書館、電子動物園、電子博物館など教育と娯楽のためのマルチメディアシステムである。いうまでもなくVR中心となる。本物のかわりに音声や映像で観客に楽しんでもらおうというだが、これはいわば特注システムなので、規模と数量の点で前の二つに劣る。(西垣、1994)
さて、マルチメディアを題材に取り上げてみたのだが・・・なんかあんまり他の人達は取り上げていないみたいですな。そんなにこれって重要じゃないかな?ま、人それぞれってやつですけど、メディア論と言う以上、この題材、そうとう鍵を握ってそうですな。
マルチメディア。一言で言え、と言われて即答できる人がいるだろうか。はっきりいってちょいと調べた程度ではさっぱり歯が立たない。そして辞書を引くと、なんとも平凡できっちりした説明があるだけ。ふむ、どうりでみんなして取り上げない訳ですな。なるだけ答えが分かってるのをやる方が楽だもんね。
マルチメディア、音、画像、その他もろもろの情報伝達手段とそれらを統合し、加工し、あらたな情報メディアとして生まれ変わらせる。そしてさらにその生まれたものを再び前記したもので利用する・・・情報があらたな情報を生むという特性を生かしたおもしろいメディアです。さらにこのマルチメディア、情報発信者が特定されないという今までにない立場関係を生み出すのにも一役買っている。
それを一言で言え、と言われても・・・今回参考にした西垣さんはデジタルな数値の塊の加工体、みたいにまとめていましたけど、デジタルといわれても一般の人にはなんだか分からないでしょう。さて、いい言いまわしは・・・プリントにあったのを少し引用すると「豊かな世界を目指すための個々発信型混合メディア」とでも言いますかな?