メディアリテラシー
定義
(1)よりよい自己実現に向けて、多様なメディアを自己の責任で選択し、物質の本質を見抜く能力を自ら可能な限り高めるために、メディアが伝える情報を構成された物と批判的に受け入れ、あわせて、最も良いと考えるメディアの組み合わせによって自らの答えを構成的に表現し、他者とのより望ましいコミュニケーション能力を作り出す能力。
(2)主体的にメディアや情報とかかわる姿勢と能力。周囲に流され、「教室」に通うのは実はメディアリテラシーの対極にある。
解説
現代は高度情報化、ディジタル時代の真っ只中にあり、私たち自身のメディアリテラシー向上がなければ調和ある高度情報化社会が構築できずに、21世紀が不安定な時代になりうる。
世界中の様々な情報にアクセスできるインターネットは、新時代の情報ツールとしてもてはやされてきた。ところが最近になって、インターネットの影の部分も大きくクローズアップされている。
有名な大きな事件としては、毒物をインターネットで購入しての自殺や、ネットの悪用による株価の操作などが挙げられる。だが、そんな大きな事件を持ち出さずとも、イタズラメールや悪質な誹謗中傷などのようなトラブルは日常茶飯事である。
そんな中でインターネットを使用する上での「メディアリテラシー」の必要性が注目されてきた。だが、「インターネットを利用上でのメディアリテラシーは必要ですが、世の中に様々な危険な物があるように、インターネットの世界にも危険があると考えるべきです」と、東京大学の一井信吾先生がおっしゃった通り、インターネットそのものが危険というわけではなく、これは他のメディアにも言える事である。
尚、「メディアリテラシー」と「情報リテラシー」の区別は、「生産能力」と「プロデュース能力」の区別に近いものがある。
メディアリテラシー発祥の地と言われるカナダには、The Media Networkという非営利組織がある。メディアが子供や若者達に与える影響を考え、主にホームページを通じてメディア教育を行なっている。子供向けの「インターネット上での振る舞い方」というゲーム(当然英語)もあるので、見てみるといいかも知れない。
また、スペースの関係で紹介できなかったが、レンマスターマンによる「メディアリテラシーの18基本原則」というものがある。このホームページ(メディアリテラシーの世界)に記載されており、他にも情報が満載なので、興味があるのなら見ておくといいかもしれない。
参考文献
http://www.jagat.or.jp/column/COMENTRY/wakui.htm
http://www.alc.co.jp/cat/9907/c9907015.html
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(担当:菅野)