(1)インターネットやUNIXのネットワークで標準的に使われているプロトコル。
「TCP」と「IP」という2つのプロトコルの組合わせで、TCPは透過的な伝送路
の提供」IPは通信経路の選択や、データの中継を行う。(2)OSI参照もでるにお
いては、TCPがトランスポート層、IPがネットワーク層に相当する。
解説 :
(1)TCP/IPは「TCP」と「IP」の2つの異なったものをネットワーク構築
という観点から1つにまとめたものであり、元々はそれぞれ独立した別のものである。
TCPは、元々米国国防総省高等研究計画局の計画により1969年に開発されたパ
ケット交換方式による実験用広域ネットワーク「ARPANET」のトランスポート手
順、「Network Control Protocol」(NCP)から生まれたプ
ロトコルである。NCPは、下位層に安定したたしかなサービスのネットワークを想定
していた。そしてARPANETは、真にそのようなネットワークであった。しかし、
様々なネットワークの集合体であるインターネットになると、そのような仮定では成り
立たなくなった。そこで、転送に関して信頼性の低いインターネットでの高信頼性の実
現のためTCPが開発された。
TCPは、バーチャルサーキット、つまり接続型の手順をとる。下位層のインターネ
ットが、Best effort型の転送サービスを行うのに対し、発着信ホストの間
で、フロー制御を行い転送の高信頼性を実現している。
また、TCPのProtocol Data Unitは、セグメントと呼ばれ、その
長さは可変長の単位である。それと、TCPでは、単純肯定応答方式およびタイムアウ
ト方式を採用している。すなわち相手側は、受け取ったという信号(ack)だけを返
す。送信の失敗はタイマーを利用して、ある時間内に相手からの応答がなければ、失敗
と見なしセグメントの再送を行う、といった働きをする。
ネットワークは、様々なサブネットと呼ばれる小さなネットワークの集合体である。
これらサブネット間では、共通のIPのパケットを自分のネットワークのプロトコルの
データ部分にいれ、つぎのルータまで運ぶ。これを繰り返しデータを送る。この定義を
行っている部分がIPである。
(2)OSI参照モデルとは、システム間相互接続を行うプロトコルの開発に、互換性
を持たせるためのガイドライン。OSI参照モデルは7階層にわかれる。(1層から物
理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼン
テーション層、アプリケーション層)各層は、それぞれ独立に機能し、隣接した層との
み通信ができる。指定した先のシステムとは、対応する層との間でのみ論理的に通信す
る仕組みになっている。
これらの基本的なシステムにより、現在の異なるコンピュータを含む大規模ネットワ
ークの構築が可能となり、それによりこれらは、基本的、かつ重要な要素となっている
。
参考文献 :
1997年11月10日発行
ライブラリ新情報工学の基礎=7 ネットワーク概論
著者 村山優子 サイエンス社
最新パソコン基本用語辞典
著者 ノマド・ワークス 発行者 富永 弘一
新星出版者