キーワード:テレビ(てれび)         担当 : 0311998105 高橋 浩



定義:

(1) テレビ:テレビジョン(television)。1925年、英国のJ・ベアードが実用テレビを発明する。1927年、日本の高柳健次郎が世界初の電子式テレビジョン実験に成功(走査線40本,1秒あたり14コマのテレビを完成させる)。1928年、アメリカにてテレビ画像中継成功(ロンドン−ニューヨーク間)。

(2) マスメディアの中核をなしている“テレビ”は、様々な問題を生み出す“電子の箱”である。
   CSによるデジタルTV放送の開始で、日本もマルチメディア時代を迎え、メディアを媒介に世界を知り、自分の意見や感覚を世界に表現する時代である。そして、特に“テレビ”とは、その中核をなすものであり、見る文化というものを与えている。しかし、視聴率を万能とし、良質な内容よりも、視聴率が稼げる番組づくりの視聴率至上主義が優先されているのも現状である。
 

解説:

(1) 1925年、英国が初めてテレビ伝送に成功し、1935年にドイツで世界初のテレビ試験放送が開始された。日本では1953年に本放送が始まった。1959年の皇太子御成婚でテレビブームに拍車がかかり、テレビは本格的な普及時代を迎える。
  1960年にカラー本放送開始。1964年の東京オリンピック以降は、いざなぎ景気とともに、カラーテレビの普及が拡大。1970以降はカラーテレビが、白黒にかわってテレビの標準タイプへと成長した。
  平成景気に入った1986年頃からは、テレビは大画面、高付加価値化へと進展した。  21世紀のデジタルネットワーク時代の到来を控え、テレビはアナログからデジタルへ変わりつつあり、単なる受信端末からマルチメディアネットワークの中心として新たなる役割を担うべく、更なる成長を遂げようとしている。

(2) “電子の箱”、それはマスメディアを代表する映像機器であるが、放送を送る側と受ける側での問題は絶えることがない。
   例えば、ワイドショーでは視聴率競争が激しく、興味本位の映像を繰り返し、事件の中で人間的な興味を引く側面のみをクロースアップするエピソード中心の制作スタイルがとられるため一面ではニュースを面白くしたものの、他面では事件の核心よりも興味本位で、センセーショナルな映像を重視する結果となっている。視聴率至上主義の考え方に振りまわされ、外部プロダクションに委託する部分が多いという制作事情が、チェック機能の働く余地を少なくし、センセーショナリズムに走り、視聴率のための映像を撮るには放送の倫理を踏み外す行為さえ生じている。TBS問題(1996年)の経験を生かしてワイドショーに大きな改善がなされることを期待していた視聴者は、それ以後も変わりばえのしないワイドショーしか見ることができないのが現状である。
 

参考文献:

<コミュニケーション・メディアテクノロジー、http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic020/feature/comm20-29.html、1999/06/13>

<テレビの歴史、http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn980825-1/jn980825-1-2.html、1999/06/13>

<鈴木 力(編集者)、1997年、「『情報・知識 imidas』1997」、株式会社集英社>