キーワード:ネチケット



定義:

インターネットやパソコン通信などで、コンピューターネットワークの向こう側に居るユーザーとコミュニケーションを取るときに守るべきエチケット、もしくはモラルのこと。

解説

インターネットで何かと話題に上がるのが「ネチケット」。「ネットワーク上におけるエチケット」故に「ネチケット」という語源説が有力。
 ネチケットには、いくつかの異なったネチケットがあるのだが、どれが正しいとか、どれが間違っている、と言うようなことはない。もし、クラッカー集団だけに通用しているネチケットがあって、内容が「他人のデータを壊せ」だの、「ハッキングはされる方が悪い」などというようなものであったとき、このネチケットは間違っているし、ネチケットと呼べるかどうかさえも怪しいモノである。まあ、この話は冗談だが、どのネチケットも一般常識の上に成り立つモラルである。
 いくつかのネチケットがある中、ここにはバージニア・シャー著『ネチケット』 (松本 功 訳・ひつじ書房)に載っている、ネチケットの基礎ルールを例としてあげてみようと思う。この基礎ルールは10のルールから成り立っている。このルールの各項の下に、私なりのかみ砕いた解釈を書いたので参考にしてもらえれば幸い である。
  ルール1 みな人間であることを忘れない
   ・常にあいての立場を考え、あいてを傷つけないように気を配ること

  ルール2 実生活で守っている態度と同じ基準にオンラインでも従うこと
   ・ネットワーク上だから何をやっても自由だと勘違いしない

  ルール3 自分がサイバースペースのどこにいるかを知っておくこと
   ・電子会議室に入るときなど、マナーや場の雰囲気をわきまえる

  ルール4 他の人の時間とバンド幅を尊重すること
   ・回線を混雑させたり、他人の貴重な時間を無駄にさせたりしない
       
  ルール5 オンラインではいい加減な表現をしないこと
   ・相手に自分の言いたいことをはっきりとつたえること

  ルール6 専門の知識を分かち合おう
   ・情報の共有化を図る
 
  ルール7 罵倒戦争(flame war)を抑制しましょう 
   ・感情的にならず、常に落ちついた態度で

  ルール8 人のプライバシーを尊重しよう
   ・ネチケットでなくても、守るべき当たり前のこと
  
  ルール9 権力を乱用しないこと
   ・システム管理者などは、その権利を乱用してはいけない

  ルール10 人の過ちには寛容に
   ・人間なんだから、多少の間違いがあって当然

  ネチケットは、本質的には「ボランティアの精神」であると言えよう。お互いに譲り合い、助け合い、尊重しあうことが、ネットワークにおけるネットワークユーザーの最低限のマナーであると言える。
  ただ、このマナーが守れない困ったユーザーがいるコトも確かである。特に自覚症状のないユーザーが多い。これを読んでいる方々も一度、自分なりにネチケットを見つめなおしてみてはいかがだろうか?

参考文献:

「ネチケット」 バージニア・シャー 著 松本 功 訳 ひつじ書房

コンピュータと日常生活 〜モラルと規制について〜 川上拓也(本文筆者)  学の世界入門1(石亀担当) 提出論文     

(担当:川上 拓也)