キーワード4:テクノストレス(てくのすとれす)



定義:

1984年,アメリカの心理学者Craig Brod がOA化に伴う心理的問題に注目して、 それをテクノストレス(technostress syndrome)と名付けた。
つまり、最初は心の 不調を意味していたが、現代ではもっと広く、 身体的な問題も含めたトラブル全般を 指している。
テクノストレス症候群はその健康障害の中で最も注目されているものである。
テクノストレス症候群は、テクノ依存症と、テクノ不安症に大別される。


解説:

テクノ依存症の症状

・いつもコンピュータのことが頭を離れずその話題しかしない
・コンピュータ以外の話には興味を示さない
・他人や家族への思いやりが欠如して見下すようになる
・人の反応を鈍く感じ,いらいらするようになる
・仕事が好きで限界を認めようとしない
・コンピュータ作業環境から休息への切り替えが困難になる
・心理的な葛藤や苦痛がない(自覚症状がない)

テクノ不安症の症状

・コンピュータに対する忌避感・嫌悪感が生じる
・短気になり,すぐにいらいらするようになる
・悪夢を見るようになる
・自信喪失,強い絶望感といったものを示す
・いつも不安でうつ的な表情を示すようになる

テクノストレス解消法(筒井、1996)
(1)仕事の合間に確実に小休息をとれ。
そして、その間、自分のことを考えたり、仲間と話したりすること。
(2)帰宅する20分前には仕事をやめ、家族の顔などを思い浮かべること。
(3)未解決なものは、要点を書き出すなり、日記につけること。頭の中にいつまでも持ち込んではいけない。
(4)仕事の最中に、できるだけ感情をこめて「私」という言葉を多用すること。
(5)自分の一日のうちで、仕事にどれくらいかかわり、仕事以外のものに気分転換するまで、どれくらい の時間がかかるか確認してみる。
2時間以上かかるのであれば要注意。
(6)仕事以外に、絵を描いたり手芸をやるなりして、別のもので自分を表すように努力をすること。

テクノストレスは現代において、 コンピュータと人間が関わり合う中、考えなければならない問題の一つである。
そのため重要なことはまず、問題を表面化して、理解することがあげられるだろう。
この種の症状は本人が気がつかないうちにかかっていることが多く、注意が必要である。


参考文献:

ストレス状態と心身医学的アプローチ、筒井末春、1996、診断と治療社
インターネット
(コンピュータとストレス(テクノストレス)):http://www.isc.kyutech.ac.jp/kouhou/kouho11/hirata/1.html
(テクノストレス症候群について):http://www.y.ie.niigata-u.ac.jp/ipu/users/hasegawa/ope/stress.html
(担当:佐藤 亮介)