レイヤー3[学びたさ (魅力の要件)]

下にレイヤー3の「困っていること(Q…となっている文章)」のリストを表示しています。各「困っていること」をクリックすると、その「困っていること(Q)」に対応する「答え(A)」を表示します。
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困っていることリスト

  • Q. インパクトが強く、忘れられない学びの経験をデザインするために参考になる理論やモデルはないでしょうか? 363ビュー

    A. 人は普段とは違う非日常的な経験をしたときに忘れることができない深い学びをすると言われています。このような経験を作り出すための仕掛けの1つが「ストーリー中心型カリキュラム(Story-centered Curriculum:SCC)」です。自分が立てた予測とは異なる結果になった原因がなぜかを探り、自分の過去の経験だけでは説明できないことに対応しようとするときに新たな学びが起こりやすい、と説明するのが「事例駆動型推論(Case-based Reasoning:CBR)」と呼ばれる学習理論です。これをストーリー型の教材に応用したID理論が「ゴールベースシナリオ理論(Goal-based Scenarios:GBS)」で、さらにこのGBSをカリキュラム設計に応用したものがSCCです。応用場面の文脈を先に示し、その中で学ぶことでインパクトが強い学びを実現する手助けとなります。また、文芸評論の観点をIDに応用してインパクトが強い学習環境の5原則にまとめたものとして「ID美学の第一原理」があります。学習経験のレベルを、何も経験しない「無経験」から忘れられない「美的な経験」までの5段階に整理しており、そのレベルアップの要件を学習環境と学習者の要素から見ています(パリッシュ)。これも参考になります。

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    A1. この論文は,CBRとGBSの説明があり、既存のストーリー型教材がどの程度GBS理論に適合しているかを判定するためのチェックリストが提案されています。
    根本淳子・鈴木克明(2005)「ゴールベースシナリオ(GBS)理論の適応度チェックリストの開発」日本教育工学会誌,29(3)(特集号:実践段階のe-Learning)309-318.
    A2. 熊本大学大学院での実践を基にしてSCCのノウハウを紹介した書籍です。
    根本淳子・鈴木克明(2014)(編著),ストーリー中心型カリキュラム(SCC)の設計理論と授業実践:オンライン大学院の挑戦とその波及効果,東信堂
    A3. パリッシュのモデルについての説明があります.
    鈴木克明(2009)「学習経験の質を左右する要因についてのモデル」 教育システム情報学会,24(4),74-77
    A4. ID美学の第一原理を含む3つの第一原理について解説した学術論文です。
    鈴木克明・根本淳子(2011)「教育設計についての三つの第一原理の誕生をめぐって[解説]」 教育システム情報学会誌、28(2)、168-176
  • Q. 学習への意欲を評価・測定するにはどうしたらよいでしょうか? 317ビュー

    A. 学習への意欲(動機づけ)は、努力の量で測るのが最も直接的な指標になります。3時間予習をしてきた者の方が、予習しなかった(0時間)の者よりも、学習意欲が高いと見なします。成績は意欲の間接的な指標にはなりますが、学習意欲が高くても基礎学力が不足していれば良い成績にはつながらないなど、別の要因が紛れ込みますので、成績は意欲の直接的な指標にはなりません。授業の終わりに「続きをやってみたいですか?」など意欲継続(行動意図)の有無をアンケート調査することで意欲が高まったかどうかを知る手がかりにすることもできます。またARCSモデルを援用し、「面白かったですか?」「やりがいを感じましたか?」「自信がつきましたか?」「満足できましたか?」の4項目を合わせて尋ねることで、授業の魅力を高める授業改善の糸口をつかむこともできるでしょう。

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    A1. これは授業の終わりにARCSモデルの枠組みを用いて意欲を調べた研究の事例です.
    A2. これはARCSモデルを用いて授業改善に役立てることを目指したWebサイトです.
    ARCS改善方略ガイドブック
    A3. これは、ARCSモデルについて紹介した書籍(訳本)です。第11章に学習意欲を測定するためのツールが紹介されています。
    J.M.ケラー(著)鈴木克明(監訳)(2010) 『学習意欲をデザインする―ARCS モデルによるインストラクショナルデザイン―』北大路書房
  • Q. 学習への意欲を高める工夫を考えるときに参考になる理論やモデルはないでしょうか。 234ビュー

    A. インストラクショナルデザインの目的は効果・効率・魅力を高めることにあり、学習への意欲(動機づけ)は3つ目の「魅力」に相当します。これを直接扱ったモデルとして世界でもっとも使われているものは、ジョン・ケラーのARCSモデル(アークスと読みます)です。学習への意欲を注意(Attention)、関連性(Relevance)、自信(Confidence)、満足感(Satisfation)に分けて必要な対策を考えるもので、その頭文字をとってARCSモデルと呼ばれています。学習への意欲を高める作戦もヒント集として提案されていますが、「使い過ぎ」に注意が必要です。やる気がない原因をARCSで特定し、必要最低限の作戦を盛り込むことが肝心です。

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    A1. これは絶版になった書籍です.第5章と第6章に,授業の魅力を高めるための作戦や学習意欲を育てる授業の設計として,ARCSモデルとそのヒント集が紹介されています.
    鈴木克明(1995)「第5章 授業の魅力を高める作戦〜ARCSモデルに学ぶ(1)〜」「第6章 学習意欲を育てる授業の設計 〜ARCSモデルに学ぶ(2)〜」『放送利用からの授業デザイナー入門―若い先生へのメッセージ―』(放送教育叢書23)日本放送教育協会