レイヤー1[わかりやすさ (情報デザインの要件)]

下にレイヤー1の「困っていること(Q…となっている文章)」のリストを表示しています。各「困っていること」をクリックすると、その「困っていること(Q)」に対応する「答え(A)」を表示します。
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困っていることリスト

  • Q. eラーニングで画面のデザインをよりよくするには,どうしたらよいでしょうか? 102ビュー

    A. 画面のデザインを考えることは重要です.皆さんは見にくいWebサイトを見つけたとき,あまり内容を読まずに飛ばした経験をお持ちかもしれません.ユーザが敬遠しない程度にしておかないと,いくらコンテンツがよくても見向きされない可能性があるのです.それでせっかくのコンテンツを見てもらえないことは,ユーザと提供者双方にとって不幸です.そういった意味でも,画面のデザイン(すなわち見た目)を考えることは重要です.またレイアウトが悪いとユーザに余計な負荷をかけることになります.人間にとって画面を見やすくするにはどうしたらよいのかは,これまでに研究されてきていますので,その成果を活用することが重要です. なお,画面上で文字の大きさや配色,配置を変えて見た目を良くするだけでなく,わかりやすさを考えていくことも大切ですし,IDに携わるものであれば,レイアウトに懲りすぎることなく,さらに本質である学びの促進(より上位レイヤー)に目を向けていくことが大切です.促進しているものではないからです.レイアウトに懲りすぎることではなく,より上位のレイヤーにも目を向けてみましょう.

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    A1. 大学院レベルのテキストです.認知表現学に基づいてプリント教材を見やすくするためのポイントが説明されています.これはeラーニング教材の画面デザインにも多くあてはまります.第5節の後半(図表6-6)に記載されています.見やすさだけでなくわかりやすさ(図6-7)についても説明されています.一方で,IDが画面のデザインにとどまってはいけないことを指摘しています.
    熊本大学大学院教授システム学専攻公開科目『eラーニング概論(2009年度版)』「第6章 eラーニングの構成要素」
  • Q. 使いやすさを向上させたいと考えています.ユーザビリティとはどのようなものですか? 73ビュー

    A. ユーザビリティ(usability)は,「使いやすさ」のことを指します.主にソフトウェアの開発やWebのデザインなどの文脈で使われてきました.いくら内容が良い教材であっても,使いにくければ学習者に敬遠されてしまう可能性があります.あなたが,特にeラーニング上で教材を提供しようとする場合に,知っておいて損はありません.  ユーザビリティの対象となる要素には,画面のレイアウトやナビゲーション,アクセス時間など多様です.ユーザビリティ第一人者のニールセンはユーザビリティを「学習しやすさ」「効率のよさ」「覚えやすさ」「間違えにくさ」「満足感」の5つの側面があるとしています.なお,この場合の学習しやすさとは,あくまでも使い方を簡単に学べるかどうかを指します.使い方を迷わせて学習者に余計な負担をかけないためにも,ユーザビリティに配慮していきましょう.  ここで1点補足しておきたいのは,使いやすい教材によって学びが成立するとは限らないということです.教材を作成した際に,学習者が使ってみたい・操作が心地よいと思わせる綺麗な画面デザインも重要ですが,IDの本質は,きちんと学べること,あるいは学ぶこと自体のやる気を引き出して継続させることです.ユーザビリティの確保は重要ですが,それだけで終わらないようにしましょう.学びの支援とユーザビリティの両方を満たすことで,より効果的な教材が出来ると言えます.

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    A1. ユーザビリティ全般を扱っているサイトです.「ニールセン博士のAlertbox」は,ニールセンによって発信されているユーザビリティに関わるコラムの日本語版です.ユーザビリティの適用事例やトレンドがわかります.「ユーザビリティとは」には,ISO 9241-11による定義やニールセンによる定義が紹介されています.ユーザビリティについて知りたい,あるいはその動向について知りたいときは,訪れてみる価値があります.
    株式会社イード「U-Site」
    A2. 大学院レベルのテキストです.第5節にはユーザビリティについて説明されています.特にユーザビリティをIDの視点から捉えているところが特徴的です.こちらも参照すべき内容でしょう.
    熊本大学大学院教授システム学専攻公開科目『eラーニング概論(2009年度版)』「第6章 eラーニングの構成要素」
    A3. ユーザビリティ評価の事例です.ユーザビリティ評価は,作業課題を設定し,ユーザに実際にやらせてみることになります.
    甲斐 晶子・根本 淳子・松葉 龍一・鈴木 克明(2011.9)「学習者の関心・学習段階に応じた日本語学習課題推薦ツールのユーザビリティ評価」日本教育工学会第27回全国大会(首都大学東京)発表論文集739-740
  • Q. eラーニングを独自開発して提供していますが,設計と開発に時間的・金銭的コストをかけているわりに,学習者にとって使いやすい教材になっていません.どうしたらよいでしょうか? 61ビュー

    A. 開発プロセスを見直してみてはいかがでしょうか.IDではよくADDIE(分析・設計・実施・開発・評価)など分析や設計にしっかり時間をかけて次の段階にうつるプロセスを採用して教材開発がなされますが,時間がかかりすぎるとの批判もあります.プロトタイピングの手法を応用することで,開発工程の短縮や効率化,あるいは関係者からの要求を開発工程にこまめに取り入れていくことが期待されます.プロトタイピングは設計・開発・評価のサイクルを必要に応じてまわしながら開発していきます.これにより,学習者にあった使いやすい教材になっていきます.

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    A1. IDへのプロトタイピング手法の応用についての解説がありますので,まずはこちらをお読みになられることをおすすめします.論文中(p.4~)ではラピッド・プロトタイピング手法について説明されており,特に「三段階連続接近法」を詳しく紹介しています.
    鈴木克明(2005)「〔総説〕e-Learning実践のためのインストラクショナル・デザイン」『日本教育工学会誌』29巻3号(特集号:実践段階のe-Learning)197-205
    A2. LMSに関係するならOPTIMALモデルが以下の論文で紹介・利用されています.これはID初学者向けのモデルであり,プロトタイピングやインタラクションのデザインなど,使いやすさを向上するための要素が組み込まれています.なお,この論文にはラピッド・プロトタイピングなどを含めた他のIDプロセスとの比較もあります.
    村木純偉(2010)「OPTIMALモデルによるeラーニング作成支援ツールの開発」『熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻 2009年度提出修士論文』
    A3. プロトタイピングの手法には,垂直型プロトタイプと水平型プロトタイプという2つの側面の考えるという方法もあります.機能数や機能のレベルを落とすことで,作動するように見えて実際には動かないプロトタイプをつくり,それによってデザインを吟味します.垂直型であれば限定された機能だけを持つシステムを制作しその機能を実際にテストできます.水平型であれば全機能を備えますが実際に機能しない全体の見本を示すことになります.以下の論文では水平と垂直を採用した実証実験の計画が示されています.
    市川尚・鈴木克明(1999)「Web構築支援システムの開発研究」『日本教育システム情報学会研究報告 Vol.99 No.3』 2-7
  • Q. 提供中のeラーニング教材が使いにくいと学習者からの不満があがっているのですが,どのような方法で改善点を探っていったらよいでしょうか? 46ビュー

    A. 新しい教材を提供する前,あるいは今ある教材に対して,形成的評価を導入することで,学習者の不満を把握して,教材の使いやすさを改善することができます.形成的評価は,教材を開発している段階で改善を目的として,学習者に実際にやってもらったり,専門家に内容を確認してもらったりする評価方法です.最も手軽な第1段階から,現場で行う第3段階までの3段階があります.最も手軽な第1段階(1対1評価)を行うだけでも効果があると言われています.現在公開中の教材を開発中とみなして,まずは第一段階の評価から進められてみてはいかがでしょうか.

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    A1. 教材開発における形成的評価の技法に関する論文です.形成的評価について何も知らないときはまずはここから読むことをすすめます.形成的評価の技法(第1段階~第3段階)が詳しく紹介されています.
    鈴木克明(1987b)「CAI教材の設計開発における形成的評価の技法について」『視聴覚教育研究』17、1-15
    A2. 書籍ではありますが,形成的評価技法(第1段階~第3段階)がやさしい説明で書かれています.形成的評価について何も知らない場合におすすめです.教材に形成的評価をどのように実施していけばよいのか,その後の改善をどのように考えればよいのかが具体的に説明されています.
    鈴木克明(2002)『教材設計マニュアル―独学を支援するために―』北大路書房
    A3. 開発したシステムに形成的評価の第一段階(1対1評価)を実施している事例です.学会発表論文です.
    高橋 暁子・喜多 敏博・中野 裕司・市川 尚・鈴木 克明 (2011.6)「課題分析図を用いた学習内容選択支援ツールの開発 -Moodleブロックによる学習者向け機能の実装-」 日本教育工学会論文誌35(1):17-24
    A4. 形成的評価の第2段階(小集団評価)と第3段階(実地テスト)を実施している事例です.修士論文で,この研究は,静脈注射の看護指導者向けインジェクショントレーナー養成コースにストーリー中心型カリキュラムの導入を図ったものです.
    北村隆始(2010)「ストーリー中心型カリキュラムによる実務家育成教材の設計・開発」『熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻 2009年度提出修士論文』
  • Q. eラーニング教材でユーザが必要な情報にたどり着かずに迷ってしまいます.どうしたらよいでしょうか? 35ビュー

    A. 主に情報デザインのナビゲーションに関する問題です.そのほかにも,一貫性をもたせたり,構造をシンプルにすることが大切です.デザインがきちんと行なわれていないと,わかりにくくなり,この質問のようにユーザが迷子になり,不快にさせてしまいます.

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    A1. ナビゲーションについての解説があります.画面のデザインというよりは,構造が中心です.
    マイクロソフト:MSDN「アプリケーション ナビゲーションの設計戦略」
    A2. ナビゲーションに関するWeb上の解説記事です.Web上でよくつかわているパンくずリストなども紹介されています.
    株式会社シーズ・クリエイト:ECpack「ページナビゲーションのユーザビリティ7つのポイント」